変性認知症の高次機能障害や行動心理症状(Behavioral and Psychological Symptomsof Dementia)についての研究を行っています。特に、logopenic aphasia
をはじめとした非典型的アルツハイマー病の症状特性や、レビー小体型認知症における精神症状、特に抑鬱について、IMPSPECT、ECD-SPECT、ドーパミントランスポーターアッセイ、アミロイド PET
等の脳画像との関連を含めた研究を行っています。
また、認知症の行動心理症状の心理社会的要因・生物学的な要因についても調査しています。
私の研究テーマである脊髄性筋萎縮症(SMA)は、1万出生に1人の割合で発生する、下位運動ニューロンの病気です。SMA
患者の多くは、乳児期に「頚定がない」「独座ができない」「立てない」「歩かれない」等の運動発達の障害の症状で見つかってきました。これまで SMA
は治療法がなく、時間とともに状態が悪くなる悲劇的な病気でしたが、一昨年アンチセンスオリゴ薬剤(ヌシネルセン)が開発され、患者の運動機能の発達あるいは回復が期待できるようになりました。これからの SMA
医療は、病気の早期診断、早期リハビリテーションがますます重要になると思われます。若い皆さんと一緒になって、新しい SMA の医療体系を構築していきたいと考えています。